トトロの棲む森に、ふれる

スタジオジブリと中川政七商店が各地の職人と作る日本の工芸。
日本一の木彫りの町・井波で作る、木彫り人形です。トトロが棲む「くすの木」を一刀一刀彫り出して作りました。

くすの木は、大きく立派に育つことで知られ、古くから御神木として大切にされてきた木です。一本の塊から一人の職人の手によって命が吹き込まれました。森を見守るように、やさしいまなざしが印象的なトトロとの暮らしをお楽しみください。

日本一の木彫りの町・井波で作りました

日本一の木彫りの町として知られる、富山県南砺市井波地区。
井波彫刻は、江戸時代から神社仏閣の装飾や日本家屋の欄間などの彫刻を手掛けてきた歴史ある伝統工芸品です。荒彫りから仕上げ彫りまで、200本以上のノミや彫刻刀を駆使することもあり、その高度な技術は日本の木彫刻文化を支えています。
この伝統を受け継ぐ木彫と漆の工房「トモル工房」の主宰・田中孝明氏と、トトロが棲む「くすの木」で木彫り人形を作りました。

360度どこから見てもトトロ、を再現

誰もが一度は触れたいと願う、あのふかふかな毛、大きなおなか、繊細なヒゲ。トトロのぬくもりを、トトロの棲む木で表現するために、50種類以上のノミを使い分け、「くすの木のトトロ」は生まれました。

あえてノミ跡を残し再現したふかふかな毛並み、今にも動き出しそうなどっしりした体、ふわりと頭にのる葉っぱ、すべて一本の木の塊から削り出して作っています。
360度どこから見てもトトロらしくあるように、精を尽くしました。

宮﨑駿監督による設定資料を元に、トトロらしさを立体で表現しました。
目には生き物らしい光が宿るよう、目尻や黒目を丁寧に彫り出してから目入れしています。
愛らしさと同居する、生き物らしさの再現にこだわりました。

左右に6本生えたヒゲは、弾力性に富む椿の木を細く削ることで、躍動感を出しています。

サツキやメイが抱き着いても倒れない、どっしりと安定した体。そんなトトロの安定感を出すために、足の位置や傾き、たぷっとしたフォルムにこだわって作りました。
思わず抱き着きたくなるようなトトロの佇まいを表現しています。

素材の堅さを感じさせない柔らかさや躍動感は、井波彫刻の表現力の高さによって生み出されました。

ぽこっと動き出しそうなしっぽが魅力的な後ろ姿。頭の上にふわりと乗っている葉っぱは、間にある空気さえも感じさせます。
木本来の質感や艶を出すためヤスリを使わず、ノミや彫刻刀だけで滑らかな曲線美を表現する、井波彫刻の伝統技法を存分に活かして作っています。

やさしいまなざしのトトロと暮らす

一刀一刀丁寧に彫り出されたトトロは、そっと見守るようなやさしいまなざしが印象的です。
再現したのは、あのバス停のシーン。
気付いたら横に佇んでいたトトロを見つけたサツキのように、日常の中にひそむワクワクする出会いを見つけられるかもしれません。
となりにあるものと共に生きることの繋がりを感じながら、くすの木のトトロと一緒に、やさしくまあるい毎日をお過ごしください。

一体一体に宿る、くすの木の個性

天然木で作っているため、一体ごとに木目の出方が異なります。トトロのカラダに沿って木目が美しく出るように、どこから彫り出すか慎重にくすの木を選んでいます。世界に一つだけの出会いをお楽しみください。

また、「くすの木のトトロ」から漂う爽快感ある香りは、トトロの棲む森を彷彿とさせます。自然本来のもつ香りをお楽しみください。

保管に適した桐箱に収めてお届けします

美術品の保管にも使われる桐で、保管箱を作りました。
調湿作用があり、四季によって変化する温度や湿度の影響を受けにくいため、日本の気候風土に適した素材です。
日本の生活に根差した保管箱とともに、大切にお届けします。

桐箱の蓋に描かれるドングリは、彫った上に彩色が施されています。
ドングリから始まる、トトロとの出会いをお楽しみください。

「ジブリと、工芸」

コラボレーションの出発地は、両者に共通する「手仕事への愛」でした。
スタジオジブリのアニメーターという職人集団が一本の鉛筆の線から生み出す映像は、手仕事のぬくもりや強い生命力であふれています。
一方、“日本の工芸を元気にする！”をビジョンに掲げ、人の手から生まれるものづくりを大切にする中川政七商店。
この価値を次の世代へ伝え、残していくために、日本の工芸を作る中川政七商店と、スタジオジブリが手を取りました。

「となりのトトロ」© Studio Ghibli
企画／スタジオジブリ・株式会社中川政七商店
発売／株式会社中川政七商店