子どもの感性を育てるうつわ

割れない、軽いなどの理由からプラスチック製のものが選ばれることの多い子供の食器。けれどある程度成長したら、食べる時間がより豊かになるようなうつわを使ってみてほしいとの思いでつくった、親子のための器です。好奇心旺盛なこどもは「触れる」ことで育ち、学び楽しむ力があることから「触感」の楽しさを感じられるをうつわに仕上げました。

触感の違いを楽しむ、つるつるとざらざら

日本では茶碗を手に持ったり、お椀に口をつけて食事をしますが、じつはこれは世界では少数派。けれど手や唇で器の質感や料理のぬくもりを感じることで、どこかほっとしたり料理をよりおいしく感じる効果があるように思います。そこで、昔ながらの陶器の産地・美濃の窯元とともに、よりはっきりと器の手ざわりを感じられるつくりを目指しました。あえて釉薬を全体にかけず、施釉部分のつるつるした感触と素焼き部分のざらざらした感触のどちらも楽しめるようにしています。

使いやすい、お片付けしやすい形

子供が安心して使えるように、欠けやすい口縁は厚く丸みをもたせた玉縁に仕上げました。丈夫なだけでなく、手に持ったときにはストッパーの役割も果たす、子供にやさしい形です。また、陶土に磁土を混ぜることで陶器ならではのあたたかみのある雰囲気を残しつつ、強度を高めています。

成長を感じ、ずっと使える形

子どもの頃に使っていたうつわを大人になってからもずっと使えるよう、飯碗はいずれは小鉢として使っても違和感のない形状に仕上げています。うつわを通して自分の成長や、かけてもらった愛情を感じられるようにとの思いを込めてデザインしました。

「親子のためのうつわ」シリーズは、飯碗、平皿、汁椀、マグカップと4つのうつわをご用意しています。木製の汁椀以外は、現代の食卓になじみながらも日本のうつわのよさを感じられる「白萩」「黄唐津」の2種類をそれぞれつくりました。単体ではもちろん、いくつか組み合わせて贈りものにするのもおすすめです。