


シルッキSILKKI群馬・桐生の機屋がつくる
肌あたりシルク100%の
普段着
シルクをもっとカジュアルに。そんな思いを込めて、織物の街・桐生の機屋が立ち上げたライフスタイルブランド。シルクの豊かな機能性や心地良さに着目して作られるアイテムは糸から布、服に至るまで製造工程はすべてが“メイドイン桐生”。肌にあたる面をシルク100%にしたオリジナルテキスタイルで、着心地をとことんデザインしたものづくりを行う。
特別な日に使うのではなく、日常的に使うという格別。
2020年、群馬県桐生市にてゆるやかに産声を上げた「SILKKI」。その言葉の響きが表すようにシルクを用いたアイテムを生み出すライフスタイルブランドだ。手がけるのは1950(昭和25)年創業の織物メーカー「桐生整染商事株式会社」。個性豊かなドビー織をはじめとして多様な生地を生み出す機屋であり、桐生界隈のテキスタイルを扱う商事会社としての顔も併せ持つ。

不調から気づいたシルクの可能性
そんな同社がSILKKIを立ち上げたのは、神奈川県から移住してきたスタッフ、川上由綺さんの、ある“悩み”がきっかけだった。
「突然アトピーになってしまったんです。環境が変わったせいなのか、体調によるものか。原因も分からないまま5年くらい悩まされて。いろいろな改善方法を試すなかで見つけたのが冷え取り健康法。それには、たとえばシルクの靴下を重ねて履いて下半身を温めましょうという考え方があって、実際に試してみたら本当に良くなったんです。要は血行が悪かったんですね。これにはとてもびっくりしました」

それまでシルクは着物やドレスに使うような「高級で特別なもの」と思っていたけれど、この経験のおかげでシルクの機能性に気がついた。繊細な糸が重なり合うことで生まれる抜群の保温性があることや、汗を外に逃してくれる放湿性、人肌を守ってくれる保湿性、雑菌の繁殖を防ぐ静菌作用から防臭効果、おまけに夏の紫外線を吸収分解するUV機能まで、シルクには備わっているらしい。
「それに使ってみて分かったんですけど、毎日のように洗濯もできるし、扱い方もそれほど難しくない。実はシルクってもっとカジュアルに使える素材なんじゃないかと」

シルク生地を使ったものづくりへの挑戦に対して、同社代表の阿部哲也さんは「当初は半信半疑でしたね」と笑う。けれど、折しもコロナ禍にあって本業の生産ラインはストップしていた。誰の胸にも何かしなければという思いが渦巻いていた時期である。手始めにシルク成分を使用したマスクを製造してみたら!保湿性があって肌に優しく、抗菌・防臭効果があるというシルクの特性を遺憾無く発揮したマスクとあって、これが売れた。

ここからSILKKIのものづくりが本格的に始動することになる。
“半径3km以内”の頼もしい凄腕職人(ツワモノたち)
桐生はおよそ1300年もの歴史を誇る織物の街である。織物を産業とする地はほかにもあるけれど、特筆すべきはその多様性だ。

織りを得意とするだけでなく、撚糸や染め、編み、加工、縫製など、服づくりに求められる技術のすべてが同地でまかなえる、川上さん曰く「宝箱のような産地」である。目まぐるしく変わりゆくファッション業界からの信頼が厚いのも、果てしなく長い年月で培われてきた伝統技があり、それぞれの分野において高い技術を持つ職人のフレキシブルな精神と対応力があるからだ。
もちろん、SILKKIのものづくりも多くのプロフェッショナルに支えられている。たとえば「こういう生地で、こういうものをつくりたい」という抽象的なアイデアの具現化に一役も二役も買ってくれるパタンナーの木島広さん。

SILKKI最初のアイテム“シルッキパンツ”をつくったときも「女性の体の変化にアジャストするデザイン」を模索するなか、どうしたら美しいシルエットになるか、着心地が良くなるかといったことから、生地を無駄なく使うためのパターンの取り方や縫製工程への配慮に至るまで、さまざまな条件を鑑みながら理想のカタチになるように導いてくれるという。

それを実際に具現化してくれるのが縫製工房「ルチア」の中島さん。この道30年のベテランで、布帛(織物)とニット(編物)という、個性の異なる生地を扱える「今どき珍しい縫い子さん」(木島さん)である。シルクという繊細な生地の難しさはもとより、「SILKKIさんの洋服は、形はシンプルなんですけど、細部にすごくこだわりがあって、よく見ると変わったデザインなんですよね」
「Tシャツ感覚で気軽に着られる」と人気のトップス。そのアームホール一つとっても、そう。腕を上げたときに、脇部分が引っ張られないようにと考えられたデザインになっている。

「……だからその分、大変は大変(笑)」。そう言って笑う中島さんの仕事は丁寧で実直。生地の特性だけでなく、つくり手の思いを汲み取りながら大切に仕立ててくれる。また、桐生には「ユニークな技術もあるんです」(川上さん)と向かったのは、ニードルパンチ加工を行う「Tex.Box」。はて、ニードルパンチとは……?
「複数の素材を一体化させて、まったく新しいテクスチャーの生地を生み出す技術かな」と教えてくれたのは同社のオーナー、自称“加工屋のおっちゃん”こと、澤利一さんだ。


およそ1万本もの針(ニードル)を打ち込む(パンチ)ことで繊維同士が絡んで1枚の生地になる。SILKKIではこの技術を使い、余った端切れをバッグやブランケットにアップサイクルするという取り組みを行なっている。
「どんな素材同士でも、針を打つ密度や深さを変えれば大抵のものは一体化させられる。その組み合わせは自由だし、無限だよね」。澤さんの言葉が印象的だった。

川上さんは言う。「この街のすごいところは思いついたら即実行ができること。ありがたいことに半径3km以内の場所に、すぐに相談できる職人さんがいて、クリエイティブな発想を柔軟に捉えて、理想のカタチにしてくれる。これってほかの産地にはない、桐生ならではの魅力であり、強みだと思うんです」
多彩な表情のオリジナルテキスタイル
もちろん、ベースとなるシルク生地を織るのは機屋である同社の仕事だ。工場を訪ねるとクラシックな織機がずらり。その多くが同社の歴史とともに歩んできた75年ものである。「現代の高速織機のように速いスピードで織ることはできませんけど、ゆっくりと織り上げていくからこそ、糸と糸の間に空気がほどよく含まれて、ふっくらとして柔らかく、風合いのある生地になるんです」(川上さん)


生み出すのは「毎日気軽に使えて、耐久性のあるシルク生地」であり、その個性は多種多様。リネンと掛け合わせた “シルッキリネン”や、伸縮性を持たせた“シルッキストレッチ”、ほどよく厚みがあってふんわりとした風合いの “シルッキサーマル”など。作りたい製品に合わせてオリジナルのテキスタイルを織りなすことができるのは、ほかならぬ機屋ならではの強みである。
ちなみに、かつて桐生ではどこの機屋でもシルク織が盛んだったという。養蚕農家も数多く見られたが、今ではもう数えるほどしか残っていない。

「昔から桐生に息づいてきた文化を失うのはもったいないことですし、そもそもシルクに備わる機能性は、もとを辿ればお蚕さんが自分の身を守るために生み出したもの。過酷な環境下でも生き残れるように、暑くなったら汗や熱を出し、寒くなったら保温するっていうシェルターとしての役割が繭には備わっているんです。面白いですよね。私たちはシルクの背景にあるさまざまな物語についても、きちんと知り、伝えていけたら」
SILKKIのものづくりには、そうした思いも込められる。
春夏秋冬、纏いたくなるものづくり
SILKKIの製品は、シルクの高い機能性を思い切り享受できるように、肌にあたる面にはシルク100%の生地を採用。随所で紹介してきたように、人間の体の仕組みや動き、変化に至るまで、とことん考えられたデザインになっているから、着心地も抜群だ。

しかも、季節を問わずオールシーズン気軽に使えて、身につけているだけで健やかに過ごせる機能性を持っている……あれ、本当だ。シルクって想像以上に、私たちの暮らしに身近なものなんだ。
- 作り手情報
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SILKKI 企業名:桐生整染商事株式会社
所在地:群馬県桐生市巴町1-1123-6 1階
創業:昭和25(1950)年
公式HP:
https://kiryutextile.com
ブランドHP:
https://www.silkki.jp
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