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半沢 宗麻 Soma Hanzawa

半沢 宗麻Soma Hanzawa

  • 東京都 | TOKYO
  • 裏千家 | URASENKE

祖母と母ともに裏千家の茶道家。母・半沢宗佳さんの指導のもとにお稽古を重ね、社会人になってはじめてこの道の面白さを知る。宗麻との茶名をもらい、月に一度業躰先生に師事ながら約2年前から指導者に。平日はウェブデザイナーとして働き、週末のみ茶道家として活躍。お稽古に加え、主に20代~30代の初心者に向けた茶道体験も積極的に実施している。

茶道という〝新しき世界〟に魅せられて

平日はウェブデザイナーとして忙しく働き、週末になると茶道教室を開く宗麻さん。

都内の小さな茶室「佳楽庵」では、宗麻さんのSNSをきっかけに集まった20代~30代の社中(お弟子さん)たちが、和やかな雰囲気の中でお稽古を楽しんでいる。

「まさか私がお茶を教えるようになるなんて考えてもいませんでした」と宗麻さん。学生時代まで、お茶にはまったく興味がなく、社会人になって仕事にも慣れてきた頃、祖母や母がやっているお茶にふと目が留まる。「私がお茶をやったらおばあちゃんが喜んでくれるかな、くらいの軽い気持ちではじめたんですけど……いつの間にか、はまっていました(笑)」

半沢 宗麻さん

「最初は右も左も分からなくて。お道具の名前はもちろん、茶道には独特の用語や言い回しがあるので、お稽古中にみんなが何を話しているのかまったく分からないところからのスタートでした。
でも、それが逆に新鮮だったというか。想像がまったくつかない経験って、大人になるとあまりないじゃないですか。新しい世界に足を踏み入れて、一から一つ一つ学んでいくことが、なんだかとても面白かったんですよね」

半沢 宗麻さん

ちなみに、宗麻さんの祖母は御年93歳。

お茶の大先生でありながら、自宅でお弟子さんに稽古をつける一方で、自身も今でも稽古に通い続けているという。
その真摯な姿勢に触れ、「そこまで人を惹きつける茶道とは、どれほど奥が深いのだろう」と、宗麻さん自身の関心もさらに深まっていった。

半沢 宗麻さん

デザインと共鳴する〝表現の余白〟

驚いたことに、茶道をはじめてみるとデザイナーという仕事に共鳴する部分が多々あった。

「茶道には決して華美ではない、削ぎ落としたところに美を見出す感覚があって、これは私がデザインをするうえで大事にしていることの一つでもあります。」

「たとえば床の間には花を活けますが、このとき使うのは咲き誇っている花ではなく、野に咲く花の蕾だったり、咲きかけのお花だったり。そこになんていうのか、表現の余白があると思うんです。余白があることで人はいろいろなことを想像できるし、想像することによって、それはその人なりの景色になっていく。それってすごく贅沢なことだなって」

床の間の花

茶室という空間の在り方や、茶道具の一つ一つもまたデザイナー心を刺激した。

「お茶室の中では調和を大事にします。お道具の取り合わせを考えるときも茶室を整えるときも、季節感はもちろん、全体の色合いやバランス、そのときのテーマに合わせるなどしてコーディネートしています」。それはもう、デザインと同じである。

宗麻さんがお稽古を行う「佳楽庵」。お軸には「和敬清寂」の文字が。
半沢 宗麻さん

自分なりの解釈で表現する、ということ

茶道をはじめて数年経った頃のこと。ニューヨークの現代アーティストであるトム・サックス氏の『ティー・セレモニー展』を観たという。

「茶の湯の世界をご本人の視点で捉えて表現するといった展示会で、いわゆる伝統的な茶道にはない、独創的な世界観や奇抜さが面白くて衝撃を受けました。奇抜ではあるものの、表現の一つ一つに日本文化へのリスペクトも感じたし、茶道の基礎をきちんと学んだうえで表現していることも見て取ることができて……。

そのとき、表現の可能性を感じたんです。茶の湯の伝統的な表現だけじゃなく、自分なりの解釈でもっといろいろな表現ができるのかもしれない。お茶はもっと自由でいいのかもしれない、と思わせてくれた。
とはいえ、型破りなことをするにもまずはしっかりとした型がないと(笑)。まだまだお勉強中の身ですけど、いつかは私の目を通したお茶の表現ができればいいな、と思っています」

半沢 宗麻さん

「みんな、お茶をやりたいんだ!」

宗麻さんが、先生としてお茶の稽古をはじめたのは約2 年前。知り合いの着物屋に依頼され茶道体験の講師を務めたとき、多くの人から茶道を習いたいとの声が挙がった。

「友人や知人の中にも、お茶をやりたいのにどこに行けばいいのか分からない、茶道の扉を叩くのは勇気がいるけどやってみたいという人もたくさんいて、なんだ、みんなお茶をやりたいのかと気がついて。私自身、茶道をもっと多くの方に伝えたいという気持ちもあるので、できる範囲でやってみようかな……」と週末だけお稽古をすることに。

初心者でも入りやすいようにインスタグラムを利用して、どんな場所で、どんな雰囲気の中、どんな先生が教えてくれるのか、お茶にまつわるさまざまなことを発信しはじめた。「そもそも茶道には、たくさんの見どころがあります。季節の花や和菓子、茶道具、着物など、日常ではなかなか触れることのない茶道の世界の魅力を、SNSでも丁寧に発信していけたらと思っています。」

そう言いながら出してくれた和菓子の可愛いこと!こんな干菓子や、こんなに素敵な主菓子まで。

ちなみに取材に訪れたのは2月下旬のこと。その日のテーマは雛祭り。せっかくなので、お稽古の様子を見学させてもらうことに。今回の参加者は若い女性3名。お稽古では席入りにはじまり、1人1回ずつお手前を順に行っていくという。

干菓子は京都・俵屋吉富の「甘酒ボンボン」。
甘酒ボンボン
主菓子は京都・鶴屋吉信より「雛の袖」を。
雛の袖

穏やかな空気が流れるお稽古

お茶の稽古というと、その場の空気がピンと張り詰めたような緊張感が漂い……と思うかもしれませんが、佳楽庵はなんだか穏やかで和やかな雰囲気だ。もちろんお点前や作法に関しては厳しく指導が入りながらも、ときおりお菓子についておしゃべりしたり、茶道具について説明をしては笑い声が起きたりと楽しそうな様子でお稽古は進む。

甘酒ボンボン
雛の袖
雛の袖

ちなみに宗麻さんは、『自点てはDO?』に登場いただいた菅野有希子さんのお茶の先生でもあります。この日は、菅野さんもお稽古に参加されていました。

菅野さんもお稽古に
菅野さんもお稽古に

そしてこの日は、社中のお一人が許状を取得する節目に立ち会うことができました。許状とは、これまでに習得したお点前を公式に認めるものであり、同時に、より上の稽古を受けるための資格でもあります。裏千家における茶道修道の証であり、段階的に取得していくことで、やがては自ら教える立場にもなれるのだそうです。

許状
許状を取得する節目

LA 発のブランドOWIU goods の抹茶碗

最後に、宗麻さんにお気に入りの抹茶碗を教えてもらいました。

「LA を拠点とする建築・デザイン事務所〝OWIU Design〟が立ち上げたセラミックブランドOWIU goods の抹茶碗です。

アメリカにありながら日本文化にも傾倒されているブランドで、このシリーズの抹茶碗は森や海辺、砂漠など自然の風景をテーマにつくられているからか、お茶の世界に妙にしっくりと合うんですよね。私が持っているのはローズクオーツ(石英/ピンク色をした石)。

ほかにも片口や茶筅立て、プレートなどもあるんです。お稽古だけでなく、自宅でも愛用するほどのお気に入りです」

半沢 宗麻さん
半沢 宗麻Soma Hanzawa

稽古場:東京都杉並区

@__asamitea
@karakuan

※ 現在は満員のため新規の受付は停止中。
※ 時折、初心者向けの茶道体験を開催

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