カレーや煮込みの後も、汚れがするりと落ちていきます。「姫野作. 段付鍋」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

語り手:北村 真紀

バイヤー、インテリアスタイリストを経て9年前に中川政七商店に入社。ブランドの商品セレクトや企画展編集、店舗の内装設計やスタイリングなども担当しています。 愛猫2匹とゆっくり過ごすお家時間を大切にしています。趣味は、美味しいものを食べること。全国各地の気になるものをお取り寄せして楽しんでいます。

ブランド:姫野作.  
推しの逸品:段付鍋 アルミ 8寸

製品には「姫野作」の刻印が製作した職人によって打ち込まれています。この刻印には職人の技術・誇り、「使い手と一生付き合える製品」という工房の目標・願いが形になったものです。
大量消費・使い捨ての時代において古臭い考えかもしれませんがこの考えを崩すことなく謹みをもって日々、「姫野作」の刻印を打ち続けていきます。

我が家のキッチン棚には姫野作.さんの行平鍋と段付鍋が並んでいます。行平鍋はお味噌汁や煮物に、段付鍋はおでんやカレー、シチュー、おうどんの出汁など汁物の料理を作る時に活躍します。



段付鍋はしっかり深さがあるので、たっぷりの出汁でもふきこぼれにくく、この間なみなみとカレーを作った時も安心でした。アルミなので軽いのですが、他のアルミ鍋より厚みがあって保温性が高く、熱の伝わりのよさを感じます。アルミ板を叩いてつくる鍋肌が、熱を均一に伝えて、焦げ付きにくくなるそうです。具材を先に油で炒めるときにも、鍋底にくっついたり焦げ付いたりせず炒めやすいなと感じます。



他にも、ちょうど手持ちのせいろとサイズが合ったので、ふちの部分にせいろを載せて蒸し料理に使ったり、おでんはそのままお鍋で食卓に出したりと、何かと重宝しています。我が家は3人家族なのですが、大きすぎず小さすぎず、3人分作るのにちょうどいいサイズ感です。

何よりすごいなと思うのが、洗い物がとても楽なこと。カレーのあとも、炒めや煮込みの少々の焦げ付きも、水でツルッと落ちていきます。先に使い始めた行平鍋は、何年も経ちますが汚れの落ちやすさは変わらず、表面に焦げ付きの跡などもなく槌目がつやつやとしています。



1つ1つ職人の手によって打ち込まれた槌目は、金属の強度を上げるためのものですが、まるでデザインされているかのように美しいです。台所に並んでいる姿を見て、日々美しいなぁと思っています。

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