見た目で選んでも、フードロスの軽減につながる。野菜と果物からできたノート「foodpaper」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

語り手:塩足 月和子

直営店スタッフを経て、中川政七商店主催の展示会「大日本市」の実行委員に。 休日は現代美術のギャラリーを巡ったり、時々作ったりしています。 雪がとても好きなので、冬になると必ず雪国に行って温泉と日本酒を楽しんでます。

ブランド:foodpaper  
推しの逸品:野菜と果物からできたノート

Food Paperは越前和紙の老舗「五十嵐製紙」が作る、廃棄される旬の野菜や果物から作られる紙文具ブランドです。洋紙でも和紙でも表現できない、独特な風合いと色彩が特徴で、環境に優しい紙文具ブランドとして、紙の可能性を広げていきます。

文具好き必見です。一見変わった模様のノートに見えるのですが、よく見ると表面に食材破片が。この「Food Paper」のノートは、廃棄される野菜や果物から作られています。越前和紙の老舗「五十嵐製紙」が手掛ける、洋紙でも和紙でもない紙文具ブランドです。


ノートの他にメッセージカードも。ブランド開発やデザインに携わったのは、同じ福井のデザイン事務所TSUGIさん

環境問題への意識が高まっているこの頃ですが、私個人は普段の暮らしの中で、具体的に何か行動できているわけではありませんでした。このノートのいいところは、見た目がユニークで、ノートとしての個性を楽しみながら、環境にやさしい選択をできること。さらに、廃棄する野菜や果物の活用は、年々収穫量の減っている和紙の原材料、楮 (こうぞ) などへの代替にもなり、ものづくりの問題解決にもつながっています。



私は玉ねぎ・にんじん・みかんのノートをそれぞれ使っていますが、三冊を会社のデスクに立てておくと、色合いがカラフルに並んできれいです。また、同じ玉ねぎのノートでも、買う時期によって色の濃さや風合いが変わります。この一期一会の感じが愛おしく、何冊も集めたくなってきます。

再生紙のノートは世の中にたくさんありますが、同じ再生紙なら、フードロスやものづくりの問題解決につながって、見た目にも味があるこのノートを使いたい。楽しみながら肩肘はらずに、環境にもやさしいアクションができることが嬉しい、愛用の文具です。





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