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鍋島虎仙窯鍋島虎仙窯
鍋島虎仙窯

なべしまこせんがま鍋島虎仙窯お殿様が愛した
鍋島焼のハレのうつわ

鍋島焼の産地である佐賀県伊万里市で焼き物作りを行う窯元。産地でも数少ない、青磁を得意とする作り手です。鍋島焼は江戸時代には将軍や大名に献上していた歴史をもちます。その卓越した技と文化の継承発展に取り組み、茶器や酒器など、暮らしにハレの気持ちを呼ぶうつわを届けています。

STORY

聞いたこと見たことはあれど、
持ってはいない「青磁」という焼き物

青磁(せいじ)って聞いたことありますか?
焼き物好きの方であれば、美術館や博物館で目にしたことがあるかもしれません。

翡翠色をたたえた、うっすらと透き通った美しい色合い。しんと澄んだ湖面のように、まじまじと眺めていたくなるような美しさです。
青色や青緑色を帯びた焼き物がすべて青磁というわけではありません。釉薬の絶妙な調合と、焼き方に工夫を凝らしてできあがります。ほんの少しのゆらぎによって様々に色が変化する、奥の深い釉薬です。

そんな青磁ですが、持っているかと聞かれると、持ってはいない。美術品であって、日用品としてはあまり作られていないのだろうと思っていました。
でも、そんな青磁を、製品化することに成功した窯元さんがあります。「鍋島虎仙窯」さん。あの美しい青磁を家で使えるというのだから、必見の窯元さんです。

お殿様が愛した門外不出の焼き物「鍋島焼」

まるで水墨画のような鍋島焼の産地風景
まるで水墨画のような鍋島焼の産地風景

青磁について話す前に、鍋島虎仙窯が属する産地「鍋島焼」についてお話しましょう。
鍋島とは佐賀藩の別名です。佐賀には日本の磁器発祥の地・有田をはじめ、唐津、伊万里、嬉野、武雄などたくさんの焼き物の里があります。
有田焼や伊万里焼などは皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。有田からは車で30分程、鍋島焼の産地は現在の伊万里市なのですが、鍋島焼という名前に聞き馴染みがないのには理由があります。それは、もともと藩の御用窯として始まった焼き物産地だから。つまり、お殿様への献上品だけを作っていたのです。

煎茶碗の後ろにある原石が青磁の原料
煎茶碗の後ろにある原石が青磁の原料。もとは黄色い石ですが、焼くと青磁色になる。焼き物の不思議です

産地を見下ろす伊万里市大川内山からは、希少な青磁の原石がとれます。藩は有田から選りすぐりの陶工31人を連れ、将軍家や諸大名への献上品、贈答品だけを作らせました。
山々に向かって窯元が軒を連ねる風景は水墨画のように美しく、今では観光地としても人気を集めています。かつてはお殿様への献上品という性質ゆえに、技術もうつわも流通が厳しく取り締まられ、庶民には決して手に入らなかった幻の焼き物です。

お殿様が愛した一点ものを「製品化」。その技術力とは

鍋島 虎仙窯のものづくりで注目したいのが、そんな最高峰の焼き物・鍋島焼を「作品」から「製品」にしたこと。そもそもがお殿様のために一点ものの制作でよかったものを、安定供給可能にした技術力です。

窯出しの様子
窯出しの様子
窯から沢山の青磁製品が...!美しすぎて、宝の山を見たような気分に
窯から沢山の青磁製品が...!美しすぎて、宝の山を見たような気分に

鍋島虎仙窯だけが安定供給に成功した、鍋島青磁

青磁を産地としてつくっているのは、全国でも大川内山だけです。しかし、繊細なガラス質の釉薬は焼成の温度調整が難しく、一気に焼いて一気に冷やせば簡単に割れてしまいます。量産に向かないため、産地でも「青磁には手を出すな」が通説。お殿様のうつわを焼いていた時代には、10個焼いても1~2個しか残らなかったと言います。この扱いの難しい青磁を得意としているのが、鍋島虎仙窯です。

温度の上げ方など、焼き方に繊細な調整が必要で、少しでも誤るとすぐに割れてしまう
温度の上げ方など、焼き方に繊細な調整が必要で、少しでも誤るとすぐに割れてしまう

「鍋島青磁を多くの人に使ってもらいたい」との思いから、まるで翡翠のように美しく、かつ安定して生産できる鍋島虎仙窯独自の青磁を生み出しました。
これは、現番頭・川副隆彦さんの祖父にあたる川副為雄さんが10年以上かけて取り組んだ釉薬研究の賜物。300年以上に渡って産地内で受け継がれてきた青磁の製作を大事にしている、鍋島虎仙窯ならではのものづくりです。
釉薬の作り方や温度調整の仕方は一子相伝。今、青磁を焼成できるのは隆彦さんと父で現窯主の虎隆さん親子のみ。そして釉薬を調合できるのはただ一人、隆彦さんだけです。

いいあがりですとにっこり。現番頭・川副隆彦さん
いいあがりですとにっこり。現番頭・川副隆彦さん

気品ある佇まいの「鍋島青磁 煎茶碗」

気品ある佇まいの「鍋島青磁 煎茶碗」

鍋島虎仙窯の手掛ける青磁の魅力がよく現れているのが、「鍋島青磁 煎茶碗」。一般的な煎茶碗に比べて高さのある高台は、大名道具としての格式や風格が求められた鍋島焼ならではの上品な佇まい。たっぷりと乗った青磁釉は美しいだけでなく、キズがつきにくく丈夫です。

釉薬が垂れる難点を機能性とデザインに変えた、逆転の発想

釉掛けの様子。全体ではなく、まず内側にだけ掛けて一度乾かします
釉掛けの様子。全体ではなく、まず内側にだけ掛けて一度乾かします

工程は一般的な焼き物より手間も時間もかかります。一度の釉薬掛けでは色が出ないため、絶妙な厚さで内側、外側と釉薬を二度掛け。その日の気温、湿度に合わせて1日かけて焼きあげて、また1日かけてゆっくりと冷まします。そうしてはじめて、独自に調合した釉薬から、澄んだ青磁の色が現れます。

左が完成品。右は一度掛けで焼いたもの。色が浅く、絶妙な釉薬の溜まりもなく、少し物足りない印象です
左が完成品。右は一度掛けで焼いたもの。色が浅く、絶妙な釉薬の溜まりもなく、少し物足りない印象です

厚みのある釉薬は美しい一方で、焼いている間に垂れてきてしまうという難点がありました。上の方をより厚くするなど様々な工夫をしても、敷板にくっつくほど垂れてしまうことも。しかし当代の隆彦さんの代になり、この垂れる性質を上手く活かすアイデアが編みだされます。

途中でぽってりとした溜まりを作ることで、スタッキングの機能を果たすことに成功

釉薬を下の部分には掛けず、途中でぽってりとした溜まりを作ることで、スタッキングの機能を果たすことに成功。重ねると青竹を思わせる清々しい姿が現れるよう計算されています。ずっと青磁に向き合い、試行錯誤してきたからこその逆転の発想で生まれた商品です。
使っているときはもちろん、収納時も美しく、来客用にぴったりの煎茶碗です。

煎茶碗を、青磁盆、鍋島青磁 菓子切とあわせておもてなしに
煎茶碗を、青磁盆、鍋島青磁 菓子切とあわせておもてなしに

価格は一般的な量産のうつわと作家の一点ものの中間。美術工芸のように精緻で華やかでありながら、暮らしに取り入れやすい、ハレのうつわとして考案されました。

鍋島焼文化の魅力を伝える、新たな挑戦「色鍋島」

ここまで青磁の話をしてきましたが、じつは鍋島焼は釉薬や絵付けの特色から3つに分かれます。

まずは、これまでお伝えしてきた、大川内山産の青磁釉を使った「鍋島青磁」。

色鍋島

赤・淡緑・淡黄の3色で上絵付をした「色鍋島」。

鍋島染付

染付の濃淡だけで文様を描く「鍋島染付」。

色鍋島

「鍋島焼文化の確立」を掲げる鍋島虎仙窯が現在新たに取り組んでいるのが、「色鍋島」です。色絵磁器の最高峰とも称される美しさは世界中で愛され、鍋島焼の代名詞でした。

そば猪口シリーズ

この色絵文化を未来に残すため、絵付け職人の手仕事と、転写などの効率的な技法をとりあわせたそば猪口シリーズを展開。鍋島焼本来の美しい色絵を贅沢に施しながら、手の届く価格を実現しています。

絵付けと転写
絵付けと転写
絵付けと転写をとりあわせてつくる様子。効率的な技法を取り入れていると言っても、手間ひまかかっています

かつてお殿様をもてなした最上の技術と美しさを、多くの人に届けたいと挑戦を続ける鍋島 虎仙窯。ハレの日や来客時に使ったり、誰かに贈りたくなるうつわです。何より、そのものづくりのエピソードとともに、誰かに話したくなります。
もちろん、日常的に自分で使うのもよし。お殿様が愛したうつわを使っていると思うと、お茶を淹れる一つひとつの所作も丁寧に。日常の中に、ゆとりある心地好い時間を生み出してくれます。

作り手情報

鍋島虎仙窯 所在地:佐賀県伊万里
創業・設立:昭和38年(1963年)
公式HP:
https://imari-kosengama.com/

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