幸運の白鹿だるま(中川政七商店)

 

「たくさん集めると逆効果じゃないの?」

 

郷土玩具や縁起物が好きなんだという話をすると、たまにこんなことを聞かれます。

 

なんとなく、神さま同士が衝突しそうなイメージがあるのでしょうか。

 

そんなに心の狭い神さまはいないだろうと思いつつ、そもそもご利益を求めているわけではないので、はじめから気にしていないのが正直なところ。

 

ではなぜ集めるのかというと、とにかく素朴でかわいくて、不思議で、魅力的だから。

 

 

暮らしの中でニーズから生まれ、使われてきた日用の品に対して、人々の祈りや思いから生まれた郷土玩具・縁起物たちはとても自由でユニークです。

 

背景にはその土地の暮らしや信仰にもとづいたエピソードもあり、旅先で見かけると買わずにはいられません。

 

そんな私が今イチオシの縁起物が、中川政七商店の「幸運の白鹿だるま」。

 

だるまの一大産地である群馬県高崎の「三代目だるま屋 ましも」真下輝永さんが制作するオリジナルだるまです。

 

白鹿は、奈良の春日大社の神様が白い鹿にのってやってきたという伝説から、"神様の使い"と言い伝えられています。

 

また、鹿は「禄(ろく)」(=幸い・喜びの意味)と音が通じる事から、とても縁起のいいものとされてきました。

 

白鹿が幸せを運んでくれるようにという祈りを込めて、「幸運の白鹿だるま」は、一つ一つ手作りされています。

 

おなじみのだるまさんのフォルムに、異質な白い下地、虚ろな丸い目、金色で描かれた角(つの)と水玉模様、そして背後についた丸い尻尾。すべてがあいまって、どことなく高貴でもあり、かわいくもある。



 

手作りなので、それぞれ微妙に表情がちがって選ぶ楽しみもあります。

 

また、“白鹿だるま”というストレートなネーミングも最高です。確かに“白鹿をモチーフにしただるま”であり、それ以外に言いようがないわけで、実に潔い。

 

東京の「笊(ざる)かぶり犬」などもそうですが、見た目をストレートに表現したネーミングは、郷土玩具・縁起物の素朴な魅力を引き出す側面も持っているなと感じています。

 

3歳になる息子は「鹿なの?だるまなの?」と若干パニックになっていましたが、モチーフとして鹿とだるまを組み合わせるあたりも自由で素敵です。


 

ちなみに、だるまと言えば選挙で当選した議員さんが目を入れる印象が強いと思います。しかし「三代目だるま屋 ましも」の女将さん曰く、「初めから両目を入れておくのがおすすめ」なんだとか。

 

本来、両目が入ってこそパワーを発揮するものだということで、「幸運の白鹿だるま」も初めから両目が入った状態になっています。

 

ご利益を求めて集めているわけではない、と言いましたが、お祝いとして人に贈る際には、しっかり意味と願いを込められるのも縁起物のよいところ。

 

私も、友人がお店や事業を始めるといったときには、上手くいきますようにと願いを込めて、だるまを贈るようにしています。




中川政七商店 編集担当 白石

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