【ワークショップレポート】「いつか使ってみたい鉄瓶」を試す!鉄瓶を長く愉しむためのワークショップ

 

こんにちは、中川政七商店 表参道店の塩足です。

「まるごと試せる」というコンセプトを掲げている表参道店では、暮らしの道具をより身近に感じていただくために、定期的にワークショップを開催しています。

今回は、先日開催して好評だった「鉄瓶」ワークショップの模様をレポートしたいと思います。

鉄瓶は役に立つし、愉しい!

ちなみにみなさんは「鉄瓶」にどんなイメージを持っていますか?

私が初めて鉄瓶と出会ったのは大学生の時、スキーで訪れた真冬の北海道でした。

休憩で入った山小屋。

まるで日本昔話に出て来そうな囲炉裏の上に、天井から鉄の鎖で吊り下がったその鉄瓶は、パチパチと音を立ててひっそりと佇んでいました。

山小屋に入ってきた人たちが次々とその鉄瓶で白湯を飲んでいる姿を見て、「鉄瓶って置きものじゃなくて本当に使えるんだ」そんな単純な感想を抱いたことを覚えています。

立ち込める湯気すら美しいその澄みきった空間の中で注がれた白湯は、ほんのりと鉄の香りがして、指先が動かないくらい冷え切っていた体に、優しくじんわりと染みこみました。

ご来店いただくお客様と話していると、私と同じように「鉄瓶は家の置きものだと思っていた」という方や、「鉄瓶で淹れた白湯に興味はあるけど、使いこなせる気がしないから、またいつか」とおっしゃる方がとても多くいらっしゃいます。

家でのお手入れや日常生活に取り入れる方法が分かれば、鉄瓶が「鉄分を補えるポット」としてだけでなく「役に立つ以上に愉しい!」と思える暮らしのお供として身近になるのでは。

そんな思いから、鉄瓶の作り手である及源鋳造株式会社様を講師としてお招きし、「五感で愉しむ鉄瓶」のワークショップをおこないました。

使い始めのお手入れ方法

まず初めに教えていただいたのは、使い始めのお手入れ。

よく、「サビ防止のために湯垢を付けましょう!」と聞きますが、一体どのくらい、どのように付けたら良いのでしょうか?そもそも湯垢ってどんなものなのでしょう?

及源鋳造株式会社の石川さんに見せていただいた、ベストな湯垢の付き具合がこちら。想像以上に真っ白!

カビではありません、これが鉄瓶に湯垢を付けた状態です。

そもそも湯垢とは、硬度の高い水に多く含まれるカルシウム・マグネシウムイオンが水を沸かすことで結晶化し、鉄肌に吸着した白い膜のようなもの。

この湯垢をしっかりつけることで、鉄瓶内部のサビを防ぐ効果があります。

湯垢は以下の手順でつけていきます。

1:硬度300mgの硬水を用意する
2:硬水を鉄瓶の8分目まで入れ、蓋を外して中火で20分ほど沸騰させる
3:蓋をのせ、中の湯を捨てる。蓋を外して内部を乾かし、本体が冷めたら再度2をおこなう

この工程を2、3回繰り返し、先ほどの写真のように白い湯垢がついたら、作業は完了!その後は使い込むほどに湯垢が定着していきます。

しかし、どんなに丁寧に使っていてもサビが発生してしまうこともあります。

そんな時も安心。サビが気になった時のお手入れ方法もお伺いしました!

1:煎茶の茶がらをお茶パックに詰めたものを用意する
(お茶に含まれる渋味成分「タンニン」を鉄分と反応させるため)
2:水を8分目までいれて1を入れる。蓋を外し中火にかけ、沸騰後約20分煮出すと、湯の色が黒くなる
3:茶がらを取り出さず、水を注ぎ足し溢れない程度に満たす。黒い湯を入れたまま半日放置。その後、捨てる
(まだサビが気になる場合はこの工程を2、3回繰り返す)
4:内部をすすぎ、沸かしたお湯が澄んでいれば完了!

赤サビとタンニンが結合し、黒いタンニン鉄へ変化することで、鉄素材が安定し、赤サビを落ち着かせることができるのだそうです。

どのくらいのサビでお手入れするべきなの?という見極めも難しいところですが‥‥

鉄瓶の場合、サビが発生しても湯の色や臭いに異常がなければそのままお使いいただけるのだとか。

実際にポツポツと赤サビが発生している鉄瓶で白湯をいただきましたが、味は問題なく、美味しかったです!

逆に、サビを取りたくてゴシゴシこすってしまうと、湯垢や酸化皮膜が剥がれて、より錆びやすくなってしまいますのでご注意ください。

お湯を沸かす時のポイント


お湯を沸かすときは、蓋を少し蓋をあけるのがポイント。

沸騰時の吹きこぼれを防ぎます。

またサビ防止のために、必要な分だけお湯を入れ、沸かしたら湯のみに注ぎ切ってしまうことも大切です。

表参道店のお庭も使って実施した今回のワークショップ。

心地よいあたたかさに春の訪れを感じながら、鉄瓶でお湯を沸かし、白湯を味わいました。

口当たりがとても柔らかく、電気ケトルで沸かした白湯と比べると、その差は歴然!微かに鉄の香りもして、体がじわっと温まりました。

豊かな時間がゆっくりと流れたワークショップとなりました!

表参道店 塩足月和子


【及源鋳造の歴史】
1852年創業。世界遺産の平泉文化圏内、岩手県水沢で約900年前に始まった鋳物作り。その歴史を日本の伝統工芸である南部鉄器として今日まで受け継いでいます。
独自性をもつ優れた郷土文化と伝統を守りつつ、格式張った形式にとらわれず
「愉しむをたのしむ」をスローガンに、先人から受け継いだものづくりの技術と鉄器のある暮らしの愉しさを、次世代に引き継いでいます。

中川政七商店 表参道店では、今後もみなさんに楽しんでいただけるさまざまなワークショップを実施予定です。
告知は表参道店のLINE@(@masa7_omotesando)で行います。興味のある方はぜひこちらのご登録もお願いいたします。

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