お椀やうちだの「みなおし品」
『みなおし品 てなおし品』
使用には問題ないが、検品から外れてしまった、産地に眠る工芸品。
検品基準を見直して、気になる部分を手直して。
一点ものの味わいがある、商品にしました。
漆器を見直しました
白木の天然木をくりぬいた椀に、色漆と拭き漆を塗り重ねてつくる、「お椀や うちだ 色拭き漆椀」。
漆器の作業工程を絞ることで、うっすらと木目が見える佇まいが人気の漆椀です。
その見える木目がゆえに、漆を塗る前のろくろ挽きの木地椀には、厳しい検品基準があります。
お椀としての品質に問題がなくても、少しでも木の節があると、
漆が均一に塗ることができずムラができるためです。
今回は、そうして生まれた規格外の木地椀の木目のムラも、「一点ものの味わい」と見直し、商品としました。
拭き漆のお椀が出来るまで
福井県鯖江市で越前漆器を8代・200年に渡りつくり続けている漆琳堂。
毎日の暮らしの中で使い続けられるものをつくりたいという想いから生まれた「お椀や うちだ」。
漆はもともと木の器の補強材。木地に下地、上塗りを重ねていくことで椀が丈夫になります。この塗り重ねる工程を毎日の使用に耐える必要十分な回数に絞ることで、毎日使い続けてもらいやすい価格帯や仕上がりにしたのが「拭き漆椀」です。
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材料には北陸地方で採れたミズメザクラの木をろくろ挽きしたものを使っています。白木の美しい木目がいかされたお椀になります。
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木目が見えるため、厳しい検品基準をクリアしたものだけが正規品となります。
漆を塗る前の検品にも、厳選して木地の良いものを選ぶ目をもっているのは、熟練の職人だからこそ。
木目が見えているため、拭き漆は工程が少なく思われますが、繰り返し塗っては拭き上げ、研ぐという工程を5回繰り返しています。
<拭き漆の工程>
1.木地の表面をなめらかにするために研いで調整します。
(※研ぐ:サンドペーパーで表面をなめらかにします)
2.漆を塗る
3.拭き上げる
4.乾かす
5.研ぐ
この2から5の工程を5回繰り返します。(5回めは「4.乾かす」で完了です)
「みなおし品」の知っていただきたいこと
漆が入りにくい節があるものや、爪楊枝の先ほどの傷など、厳しい検品基準をクリアできなかったものを味わいとして見直していただきたい商品です。自分だけの一点ものとして使っていただける方、少しお得な価格帯になっているので漆器を使ってみたかったという方の「漆器はじめ」としても。ご家族分揃えて、それぞれの個性を見比べてみるのもいいですね。 決して漆器として使っていただくのに、正規品と比べても劣るものではありません。あらためて厳しい条件をクリアしている正規品を見直すとともに、漆器の良さを見直していただくきっかけになれば嬉しいです。
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青いチョーク部分のような節が少しでもあると塗りムラになるため検品基準をクリアできません。このような木地を少しでも「みなおし品」として愛着をもっていただけたらという想いで商品にしました。
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少しの傷も正規品には使用できません。「みなおし品」となる場合も、生漆、砥之粉(とのこ)、珪藻土を合わせたもので、修復してから塗りの作業に入ります。修復作業も、てなおし部分のみを修復するため、細かい技術が必要になります。(修復部分以外を覆うように大きく補修すると、その部分が後から塗りムラとなって現れるため。)
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節の部分が塗りムラになっている「みなおし品」です。一見、塗りムラかわからないレベルのものも、正規品にはなれないのです。
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節が線上に入っていると、塗りムラがそのまま線上に現れるものもあります。
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内側に節が現れるものもあります。
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通常底のロゴはシルバーですが、みなおし品は赤のロゴマークになっています。
こちらは3つとも「みなおし品」です。一点ものとして個体差をお楽しみください。
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