ことつて#01前編 麻わたウールのニットプルオーバー

こんな風に考えてつくりました

気が付いたら週3で着てしまうカットソー、食器棚の中でついつい手が伸びる飾り気のないうつわ、刃こぼれしたら何度でも研いで使う手に馴染んだ包丁。
毎日自然と手が伸びてしまう物、ずっと使い続けたい物ってどういう物だろう。一過性のお気に入りではなくて、一緒に日々を重ねていく相棒のような道具。
歴史を積み重ねて培った工芸のたしかな技術。それらを現代の暮らしに心地いい形で、使う人の元に届けられたら・・・

この記事は、私たちの「こんな風に考えてつくりました」を近くでそっとお伝えするような、そんな気持ちでお届けする中川政七商店からの「ことつて」です。


もくじ

冬の麻もの、糸からつくりました

デザイナーの二井谷さん

麻と言えば夏、という印象が浸透していますが、実は、冬にも嬉しい効果があるのをご存知でしょうか。オールシーズンに適した麻の特性を感じてもらいたい、という想いから冬の麻ものを企画しました。

デザイナーの二井谷さんに話を聞いてみると、
「一口に麻と言っても実は20種類以上もあるんです。今回使用したのはリネンなのですが、繊維の中に空気が含まれていて、寒い季節には、天然のサーモスタットの役目を果たすような機能をもっています。」

麻を活かした糸作りをご一緒してもらうなら!と相談に向かった先は・・・

独自の糸作りで世界に知られる佐藤繊維さんと開発

佐藤繊維独自のブランドを築きあげた4代目社長の佐藤正樹さん

戦前からニット産業が盛んな山形県寒河江市で1932年創業の佐藤繊維さん。
天然繊維それぞれの機能を組み合わせて、これまでにない新しい糸作りをされています。安い海外製品に押され軒並み廃業になってゆく国内企業の中で、こだわりの糸作りで唯一無二の立ち位置を確立し、世界中の名だたるブランドが佐藤繊維さんの糸に惚れ込んでいます。

試作した編み地のサンプル

麻をいれた冬らしいニットをつくるのであれば、空気をふくむ紡績を施したふっくらとやわらかなウールをベースに、麻のわたを混ぜるのがいいのではないか、と編み地のサンプルをいくつか見せてくれました。
触ってみると、麻特有のシャリシャリとした涼しげな手触りではなく、冬のニットらしく温かみのある手触りです。

麻の印象が変わる、温かみのある手触り

強度を出す為につよく撚った糸の状態で織ったり編んだりすると、どうしても清涼感のある手触りが前面に出てしまう麻。撚りをかけずにわたの状態で糸にすることで、やわらかく温かみのあるニットが完成しました。見た目も機能も手触りも冬にふさわしいこのニットは、麻のわたを混ぜるという佐藤繊維さんによる特殊な糸作りの技術があってこその仕上がりです。

柔らかな風合いの糸を作ることができる特殊な紡績機械/麻のわた

佐藤繊維さん独自の糸作りにかかせないのが、古い機械に改良を加えたオリジナルの機械。大手紡績工場が、効率よく標準的な糸を生産する新しい機械を入れるかわりに廃棄するような古いものです。効率はよくないけれど、ゆっくり動き繊細な原料でも引くことができる為、丁寧に糸を作るのに理想的な構造になっているそうです。

麻をわたの状態でまぜる糸作りは効率が悪く大量生産に適していない為、佐藤繊維さん独自の技術になっているのだそうです。この温かみのある糸は、効率第一ではなく、素材を活かすために試行錯誤を重ねた、作りたいものをなんとしても作るための“ものづくりの現場”から生み出されたからこその風合いです。

見た目も機能も手触りも、冬にふさわしい麻のもの

色は左から紺、赤、薄茶の3色

糸作りからこだわって完成したニット。
「ニットの風合いが面白いものにできたので、それを活かしたくて、形はあえてシンプルで定番なものにしました。」
という言葉のとおり、どんな服にもあわせやすいベーシックな形に仕上がりました。

袖口と襟元はつまっていて、冬の冷たい空気がはいりこまないデザインに。

一見シンプルに見えて、こだわりの糸ならではの豊かな表情。ざっくりと編み、絶妙な仕上げ加工を施していることで、ウールのふくらみがより一層引き立ちます。
佐藤繊維さんがアレンジした古い機械でつくられたからこそ、画一化された工業的なものではなく、1つ1つ風合いが違う温かみのあるニットに仕上がりました。

左から順に、154cm、162cm、171cm。フリーサイズですが、それぞれちょうどいいサイズ感

素材の特性を活かしたいという佐藤繊維さんと中川政七商店の想いが形になって出来上がったニット。社内で感想を聞いてみると、ボリュームがあるのに軽くて楽、という感想が口々にあがりました。冬は重ね着で肩が凝りがちなので、暖かくて軽いのは嬉しいポイントです。
素材によって糸の染まり具合が違って立体的、という声も。麻の特性を活かすために、複数の素材を撚り合わせてつくった糸ならではの表情です。

この糸の風合いをもっと楽しんでほしい、と感じた二井谷さん。 初めての試みとなる 編み物キット『編みことはじめ』の開発も行いました。

《ご予約承ります》 ―オンラインショップ先行予約―

「麻わたウールのニットプルオーバー」・「編みことはじめ」・「麻わたとウールの毛糸」の先行予約を受け付けております。下記商品ページよりご予約ください。


【期間】9月20日(木)まで
【発送】9月21日(金)より順次発送
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※こちらの商品はご予約商品となりますので、「配送日指定」はお受けいたしかねます。

『ことつて』は全国直営店の店頭でも冊子でお配りしています。店頭でお配りしている冊子は年4回発行し、シーズンごとの様々な商品をご紹介しています。こちらの記事は、9月1日発行の『ことつて 秋号』の中で紹介される商品の1つをとりあげ、ものづくりの裏側をじっくりご紹介した読み物です。

こと-つて [意味]
伝えたい言葉を取り次いでもらうこと。
また、その言葉。伝言。ことづけ。

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麻わたウールのニットプルオーバー [1004-0967]
販売価格:¥23,760(税込)

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