2025.10.10

暮らしに「森の景色をつくる」家具 広葉樹の端材をいかしたスツール・ミニテーブルを発売

中川政七商店×倉本仁氏
暮らしに「森の景色をつくる」家具

広葉樹の端材をいかしたスツール・ミニテーブルを発売

1716 年創業の奈良の老舗、株式会社中川政七商店は、当社のインテリア家具シリーズ第1弾として、倉本仁氏をデザイナーに迎え、飛騨高山・広葉樹の端材をいかした「木端(こば)の椅子」、「木端(こば)の花台」を2025年10月22日(水)より、中川政七商店オンラインショップおよび中川政七商店 奈良本店、渋谷店、ニュウマン高輪店、福岡天神店、虎ノ門ヒルズステーションタワー店にて発売いたします。渋谷店およびオンラインショップでは、「木と暮らす景色」をテーマにした企画展を開催します。
また10月22日(水)、東京ミッドタウン主催のデザインイベント「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025」にて、「木端」シリーズの開発メンバーによる特別鼎談を予定しています。

日本は国土のおよそ3分の2が森林に覆われ、人と森は古くから深く関わり合いながら暮らしてきました。その一方で、形や太さが不揃いなために使われずに眠る木々や、安価な雑材として流通する木々など、まだまだ森の中には、知られざる素材の魅力が潜んでいます。

中川政七商店がインテリア家具シリーズ第1弾に選んだのは、そんな自然素材の質感を生かした"しつらい家具"。用いたのは、流通にのらずにいたブナやクリ、クルミなど広葉樹の端材です。捨てられてきた素材に職人の手を加え、家具づくりにおいても"工芸的なものづくり"に挑戦。規格や均一性が重んじられる家具の分野で、あえて素材の不揃いを受け入れることで、暮らしの中に「森の景色をつくる」家具が誕生しました。薪のように樹皮を残した特徴的なデザインが、暮らしの中に野趣を宿します。

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企画展「木と暮らす景色」

会期:2025年10月22日(水)~11月4日(火)
場所:中川政七商店 渋谷店、オンラインショップ
内容:「木端」シリーズ展示販売・制作風景紹介
   「木と暮らしの制作所」「尾山製材」「スーパー生木ラボ」商品販売
特集サイト:https://nakagawa-masashichi.jp/shop/e/ev0699/
取扱店舗:中川政七商店 オンラインショップ
     中川政七商店 奈良本店、渋谷店、ニュウマン高輪店、福岡天神店、虎ノ門ヒルズステーションタワー店

デザイン特徴「木の"ありのまま"を受け入れるデザイン」

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素材が本来もつ表情を最大限に生かした、形を揃えすぎないデザインが特徴です。脚部にはあえて幹の波打つような形状を残し、樹皮の雰囲気を再現するように仕上げています。
素材には、ブナやクリ、クルミなど、家具づくりの現場で生まれた広葉樹の木端材を使用。樹種や木目の異なる木片を一点一点組み合わせることで、同じものが二つとない表情を生み出しています。
カラーは、樹木の風合いをそのまま残した「ナチュラル」と、クルミを鉄媒染で黒く染色した「ブラック」の2色展開。

商品ラインアップ

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木端(こば)の椅子

椅子やサイドテーブル、ディスプレイ台など、様々な用途に使えるスツール。「ナチュラル」は天板にブナ材を使用。脚には複数の広葉樹を組み合わせることで、一つひとつ個性のある表情が生まれました。「ブラック」は、クルミ材を鉄媒染で染め上げ、深みのある色に仕上げています。樹皮のような質感と豊かな木目の脚が飛騨の森の景色を想わせ、使わない時もオブジェのように空間を引き立てます。

価格:ナチュラル 55,000円、 ブラック 66,000円
サイズ:幅・奥行35~37cm×高さ42cm

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木端(こば)の花台

椅子やサイドテーブル、ディスプレイ台など、様々な用途に使えるスツール。「ナチュラル」は天板にブナ材を使用。脚には複数の広葉樹を組み合わせることで、一つひとつ個性のある表情が生まれました。「ブラック」は、クルミ材を鉄媒染で染め上げ、深みのある色に仕上げています。樹皮のような質感と豊かな木目の脚が飛騨の森の景色を想わせ、使わない時もオブジェのように空間を引き立てます。(安全のため椅子として座ることはお控えください)

価格:ナチュラル 26,400円、ブラック 29,700円
サイズ:幅・奥行27cm×高さ11cm

開発背景
「工芸を通して、日本の森林を、暮らしにつなぐ」

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岐阜県北部・飛騨地方は、豊かな森林に覆われた日本有数の木工産地です。スギやヒノキといった針葉樹が知られる一方で、実は多種多様な広葉樹が育つ地域でもあります。しかし、形や太さが不揃いなため市場流通が難しく、伐採された多くの広葉樹はひとくくりに「雑」と仕分けされ、機械で細かく刻まれて、安価なチップとして燃料などに使われるのが現状です。

この課題に取り組むのが、飛騨高山の家具工房〈木と暮らしの制作所〉。「森と木と暮らしをつなぐ」をコンセプトに、これまで活かされてこなかった広葉樹を家具として再生し、森の多様性を価値に変えています。中川政七商店はその想いに共鳴し、同社と協働して広葉樹の端材をいかした家具シリーズを開発しました。

デザインは、素材を活かすデザインを得意とする、日本を代表するデザイナーの一人・倉本仁氏(JIN KURAMOTO STUDIO)に依頼。不定形な素材の個性を受け入れながら、暮らしに調和する形を追求しました。一脚一脚が異なる表情を持ち、まるで飛騨の森の断片を部屋に迎え入れるような佇まいを実現しています。

木と暮らしの制作所 代表取締役 阿部貢三

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「自分たちでは使い切れていなかった小さな部材。今回の企画で中川政七商店さんや倉本さんたちに価値を見出していただきました。不定形な素材を規格内に収めることの難しさはありますが、暮らしの中で『森の存在』を感じていただけると嬉しいです。」

JIN KURAMOTO STUDIO 倉本仁unnamed (58).jpg

今回のプロジェクトをきっかけに飛騨にある木と暮らしの制作所さんを訪問し、彼らの木への愛情や敬意、森に対する真摯な姿勢に感銘を受けました。木が持つ表情やキャラクターを活かしながら、日々の生活の中でその価値と背景の物語を体感できるパワーアイテムのような家具のあり方を求めました。」

「木端」シリーズ開発メンバーによる特別トーク

イベント名:DESIGN LIVE TALK BATON
登壇者:倉本 仁(JIN KURAMOTO STUDIO 代表)
    阿部 貢三(木と暮らしの制作所 代表取締役)
    高倉 泰(中川政七商店 商品部 ディレクター)
トークテーマ:木材を余すところなく使い描く家具の姿
日時:10月22日(水)14:00~15:00
場所:東京ミッドタウン アトリウム
詳細:https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/designlive/talk-baton.html

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〈本件に関するお問い合わせ〉
kouhou@yu-nakagawa.co.jp
株式会社中川政七商店
広報 佐藤菜摘